こんにちは、まるまるです。
今回は、「AGA(薄毛)対策 薄毛治療の薬 それぞれの効果と注意点」についてお話します。
僕は、AGAクリニックに通院して内服薬で薄毛治療を続けています。
今の治療方針に決めるまで
どのような薬があるのか、効果は?注意点は?自分のニーズに合いそうかなど調べました。
その時調べたことをまとめたいと思います。
費用のことが気になる方はこちらをご参照ください。
【参考リンク】【AGA(薄毛)治療】 どこがいい? AGAクリニックの選び方
【AGA(薄毛)対策】 薄毛治療の薬 それぞれの効果と注意点
そもそも薄毛は本当に抜けているのか?
僕自身が頭頂部の薄毛を自覚した時期、「髪が抜けている」自覚はあまりありませんでした。
どちらかというと「ボリュームが減ってきた・硬さが減った」感じが強かったです。
そのため「もしかしたら、抜けて薄くなったワケではないのではないか?」と疑いました。
これは、僕がFTMで男性ホルモン補充療法をしていたためです。
一般男性と違う薄毛のなりかたなら、治療の方法が変わる?と思ったからでした。
文献を確認したところ、以下の研究結果が報告されていました。
外観上薄毛程度の異なる男性の毛髪密度を測定した結果,
毛髪密度は薄毛程度に関係なく,ほぼ一定であった。
つまり,薄毛化が進行しても毛髪密度は見た目ほど大きくは変化していないのである。¹⁾
薄毛の程度が違う人の髪の密度=生えている本数を調べたら、薄毛の進行具合で毛髪の本数にあまり差がなかったと言っています。
薄毛程度が低度から高度までの男性と薄毛でない男性,
計380 名の薄毛程度と毛髪密度を測定してみた。
その結果,非薄毛者の毛髪径のピークは105 µm 程度であるのに対し,
高度薄毛者の毛髪径のピークは35 µm 程度であった。
明らかに薄毛程度と毛髪径には大きな関連性があった。¹⁾
つまり、男性型脱毛の場合は、毛が細くなることが一番の問題だ!ということを示しています。
「髪を生やす」よりも「髪を太くする」ことが男性型脱毛にとって効果が高いと言えます。
ちなみに男性型脱毛(AGA)と女性型脱毛(FAGA)の違いは以下になります。
AGAであれば髪を太くする効果のある薬、
FAGAであれば発毛と太さに効果のある薬を使用すると最大効果を得られると言えるでしょう。
薄毛治療の薬
薄毛治療の薬として有名なものは、「ミノキシジル」「フィナステリド」「デュタステリド」ではないでしょうか?
ガイドラインで、女性がフィナステリド・デュタステリド使用が推奨されていない理由は、
男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼす恐れがあり,
妊婦または妊娠している可能性のある女性,授乳中の女性への投与は禁忌である.²⁾
ミノキシジルの効果・注意点
ミノキシジルは毛細血管を広げて血流を促進する効果があります。
血液が毛母細胞にたくさん届くことで、活性化させて生えやすくするという働きになります。
ミノキシジルには外用薬と内服薬が存在しています。
外用薬は男女とも推奨度「A」、内服薬は男女とも推奨度「D」です。
外用薬は発毛効果があることを多くの検証で確認されています。
内服薬が推奨度「D」の理由は以下です。
ミノキシジル内服の有用性に関して臨床試験は実施されていない.
ミノキシジルは降圧剤として開発されたが本邦では認可されていない.
また,男性型脱毛症に対する治療薬としても認可されている国はない²⁾
多毛症以外のミノキシジル内服薬の副作用の報告は少なく,
内服用製剤の添付文書中の市販後調査欄に,
胸痛,心拍数増加,動悸,息切れ,呼吸困難,うっ血性心不全,むくみや体重増加などの
重大な心血管系障害が生じるとの記載がある.²⁾
2つの違いを比べたうえで、僕は内服薬を選択しました。理由は2つです。
・外用薬の副作用の方が気になった
・内服薬は血中に到達しやすいので、外用薬よりも効果が高い気がした
できるだけ安心して発毛したいのであれば、外用ミノキシジル使用をオススメします。
毛髪の成長サイクルを整えるためにおこる反応です。
一時的に髪が多く抜けますが、サイクルが整えば増える方向になってきます。
僕も最初の3か月くらいは脱毛が多くビクビクしましたが、現在は増えています!
フィナステリドの効果・注意点
男性脱毛症は推奨グレード「A」、女性脱毛症は推奨グレード「D」。
フィナステリドは1日1回使用する内服薬です。
国内外で試験を多くされており、効果があることが報告されています。
脱毛症診療ガイドライン²⁾では、
内服継続期間、 1年:約6割 2年:約7割 3年:約8割 が、増毛効果が見られたと報告しています。
長い期間継続使用するほど、改善する可能性が高いということです。
フィナステリドはテストステロンをDHT(抜け毛の原因物質)に変えてしまう働きを
もつII 型5-α 還元酵素の働きを邪魔する効果があります。
抜け毛の原因物質に変えさせないことで、抜け毛を減らす効果がある薬です!
フィナステリドの添付文書(薬の説明書)に「副作用の発現率」が記載されています³⁾。
臨床試験
48 週間の二重盲検比較試験において、安全性評価対象 276 例中 11 例(4.0%)に 14 件の副作用
(臨床検査値異常変動を含む)が認められた。主な症状はリビドー減退 3 例(1.1%)、勃起機能不全 2 例(0.7%)等であった。
〔承認時〕
使用成績調査
943 例中 5 例(0.5%)に 5 件の副作用が認められた。主な症状はリビドー減退 2 例(0.2%)、
肝機能障害 2 例(0.2%)等であった。〔再審査終了時〕
割合が多いのはリビドー(性欲)減退ですが、1.1%とそこまで多数とは言えない割合です。
勃起不全は200人中1.5人の割合です。この発現率なら、心配しずぎなくても…という印象でした。
デュタステリドの効果・注意点
男性脱毛症は推奨グレード「A」、女性脱毛症はグレード「D」。
デュタステリドは1日1回服用する薬です。
フィナステリド同様、国内外で効果があると報告されています。
フィナステリドと違うのは、
テストステロンをDHT(抜け毛の原因物質)に変えてしまう働きをもつ
5-α還元酵素の I 型,II 型の両方の働きを邪魔する効果があります。
フィナステリドとの効果の差はほんのわずかではありますが、
全毛髪数と毛直径の増加についてはデュタステリドの方が優れた効果を示した²⁾
との報告もあります。
ただ、わずか過ぎて効果の差がハッキリしていないのが実情です。
デュタステリドの添付文書に「副作用」の項目があり、割合が記載されています。
日本人120例中、臨床検査値異常を含む副作用が報告された症例は14例(11.7%)であった。
その主なものは、リビドー減退 7例(5.8%)、勃起不全 6 例(5.0%)、射精障害 2 例(1.7%)
であった。(承認時)
国内長期投与試験において、本剤が投与された総症例120例中20例(16.7%)に
臨床検査値異常を含む副作用が報告された。
その主なものは、勃起不全13例(10.8%)、リビドー減退10例(8.3%)、
射精障害 5 例(4.2%)であった(承認時)。⁴⁾
フィナステリドと比べると性機能障害発現率が高いです。
最大で1割程度の方に影響が出ているので、
これから子宝を授かりたいと考える方はフィナステリドを選択した方が良いかなと思います。
ほとんどのクリニックで、フィナステリドよりも1か月分で3000円くらい価格が高いようです。
デュタステリドの方が、薬価格が高いので「還元酵素の働きを2種類抑える」ところにこだわらなければフィナステリドで十分だと思います。
僕は、還元酵素を2つとも阻害したいと考えたこと、子宝は考えなくても良かったため
デュタステリドを使用することにしました。
まとめ
今回は「ミノキシジル」「フィナステリド」「デュタステリド」についてまとめました。
それぞれに注意点があるので、専門医のもと処方・経過を追うのがベストかなと思います。
今回の記事は以上です。ありがとうございました!
参考文献
1)岩渕徳郎,育毛薬剤の開発と評価方法(これまでと今後),日本香粧品学会誌Vol.42, No.2, pp.98–103(2018)
2)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン作成委員会,男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
3)MSD株式会社「プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mg」添付文書
4)グラクソ・スミスクライン株式会社「ザガーロカプセル0.1㎎/ザガーロカプセル0.5㎎」添付文書