こんにちは、まるまるです。
今回は、『FTM乳房切除の手術、将来は国内病院が主流になるか?』についてお話します。
FTMで体の変化を望んでいる方は「手術」のことで悩む機会が多いと思います。
僕自身、乳房切除術(胸オペ)を行う前にたくさんのことを考え、行動しました。
実際にすでに手術を終えられた方に話を聞いてみたり、オペをしている病院にアポをとって手術内容を聞いたこともありましたね。
僕は沢山あった選択肢の中から、
約5年前に国内・大学病院で乳房切除術を実施しました。この選択肢に全く後悔はありません。
経験も踏まえて話を進めます。

FTM乳房切除の手術、将来は国内病院が主流になると思う理由
将来、国内病院が主流になると思うのは以下3つの理由からです。
手術相談・説明を医師と直接・複数回やり取りできる
どんな疾患であれ日本国内で治療を行う場合(緊急は除いて)、治療前にインフォームドコンセントがなされます。
大まかにいうとインフォームドコンセントは、
患者側と医療側で情報共有し「こんな風に治療をすすめていきましょう」とすり合わせをすること。
人生初の手術かつ、全身麻酔を使用する大きなものになるのは分かっていたので、
「この医師になら任せられる」と思える方に執刀してほしいと思っていました。
やはり、事前に何度もやり取りができると手術に対しての安心感が違いますね。
そう思うのは、治療できる場が昔よりも増えて選択肢が広がったから。
『国内だから安心、海外だから不安』ということではなく、それぞれの人がどの部分に安心・安全を感じるかが多様になるという感じ。
だから日本語でやり取りができる、国内の大学病院を最終的に選んだよ!
当初は海外で手術をと考えていたので、アテンド会社数社に話を聞いていたのですが
渡航前に執刀医と直接話をできる機会はどこもなかったと記憶しています。
ここに不安がない方は海外でも大丈夫かもしれないですが、僕はちょっとダメでした。やはり根っからのビビりですね(汗)

入院期間を身体的に必要な日数取ることができる
乳房切除術は、乳房の大きさによって切除範囲が大きく変わります。
胸が大きければ大きいほど、切る範囲が大きくなり、手術時間が長くなるので身体的負担がかかりやすいと言えますね。
僕はかなり爆乳だったので、身体負担は結構かかるだろうと思っていました。
小さい方だと小さい切開で済むので、日帰りで大丈夫な方も多いとか。
日帰りは身体負担を考えると厳しいだろうなぁと思っていたので、国内手術に決めてからは術後入院できるところから優先してみていきました。
僕の場合は計8日入院していました。抜糸までの経過を下にまとめてみます。
2日目 :手術当日、全身麻酔から目覚めたあと、すぐ寝てしまいそのまま。
3日目 :尿道バルーン、点滴で管だらけ。体力消耗激しくベッドから立ち上がれない。
4日目 :尿道バルーン、点滴終了。シャワー浴開始。片道20m歩行息切れ、6セット実施。
5日目 :胸部ドレーン抜去。片道50m歩行開始、息切れあり。6セット実施。
6日目 :片道100m歩行息切れ軽度、8セット実施。病院内階段昇降開始。1~3階まで息切れあり。3セット実施。
7日目 :院外歩行開始。一周500m、3セット実施。階段昇降、5セット実施。
8日目 :退院し帰宅
15日目:通院で抜糸
理学療法士なのを活かして(?)術後自らに運動療法していました。その時の様子を記録していたので抜粋しました。セット数は連続ではなく、1日のトータルです。
やっぱり術後は全身耐久性(体力)が著しく低下しますね。
体感して強く実感しました(汗)
僕は自分の身体状態からみて、7泊8日の入院期間はベストだったと思います。
抜糸後も、術後3か月、術後6か月検診があり、アフターフォローの観点からも安心できました。
あくまで、僕1人のシングルケースなので皆さんがこうなるというわけではないですが、
胸が大きな方はこれくらい身体負担がかかる可能性もあると考えて復職計画を立てておくといいかも。
僕は仕事復帰したのは入院日から数えて18日後。
理学療法士という身体を比較的使う職業であることも影響しているはずなので、デスクワークの方だったらもう少し短くても大丈夫な気がします。
治療段階によっては手術費用が海外より安くなる方法ができた
2018年4月から法改正され、性同一性障害の外科治療の健康保険の適用が開始しています。
ただ、対象になるには以下の条件を満たさないといけません。(2022年1月時点)
戸籍の性別変更前は、ホルモン補充療法が現状では自由診療。
保険診療と混合できないため、ホルモン補充をしていない方しか健康保険の適用ができません。
子宮卵巣摘出術も自由診療扱いのため、胸オペと同時にすると混合診療になり健康保険非適用となるでしょう。
なので、現状で健康保険適用で手術ができる方は、
と、限定的。
しかし、保険適用の場合は費用負担が3割になり、高額療養費制度も使用すると実質支払額は8万円ほどまで抑えられます。
GID治療は高額なものばっかりなので、金銭負担が少しでも減るのはありがたい。
僕が手術したときはこの制度はまだなく、自費診療で総額75万円程度必要でした。
現在カウンセリング段階の方は、GID治療を行っている国内病院のホームページを一度確認してみるのもいいと思います。
将来、ホルモン補充療法が保険適用になった場合は、ホルモン投与中の方でも健康保険を活用して乳房切除術が受けられるようになるはず。
その時が来たら、今以上に国内病院でのオペを選択する方が増える気がします。
まとめ
国内病院で手術することのデメリットがあるとすれば、予約~オペ執刀までの待ち期間が長いことでしょう。
これはまだGID手術を取り扱っている国内病院が少ないためと考えます。
ただ、安直に手術に向けて邁進するのではなく
手術が自身にとって本当に必要なものかキチンと考えて、覚悟したうえで望んでほしいと思っています。
身体的治療をする・しない
手術執刀を海外でする・国内でする
メリットだけ見て突き進むのは無謀ってやつだから、もう一度考えてみてほしいな
マイナスリスクを受け入れる覚悟ができた人にだけ、望みのプラスリスクを得るチャンスがある。
投資に対する心構えと同じようなもんだと、僕は思っています。
今回の記事は以上です。ありがとうございました!
