FTM(性同一性障害)

【FTM 性同一性障害】性別移行を支障少なく行う3つのポイント

こんにちは、まるまるです。今回は『【FTM 性同一性障害】性別移行を支障少なく行う3つのポイント』についてお話します。

まるまる
まるまる
僕が性同一性障害のため、専門クリニックに通い始めたのは30代になってから

多くの方が10代後半~20代前半に通院を開始される方が多いのを考えると、結構な遅咲きですよね。

カウンセリング⇒ホルモン注射⇒乳房切除術を自分で生活費と治療費を工面しながら現在に至ります。

この記事では僕自身が、社会人として働きながら身体的性別移行を進めていった過程を3つのポイントにまとめました。

  1. 性別移行を急ぎすぎない
  2. カミングアウトは適宜、必要なことと覚悟する
  3. ざっくりとライフプランを考えておく
現在も戸籍自体は女性のままですが、男性職員として勤務をしています。転職活動も経験しました。治療も継続できていて、日常生活を営むうえで不都合を感じることはほぼないですね。
まるまる
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自分で働きながら治療を進めたい方への一例になれるかなぁ?

性別移行をどこまで希望するかは各人で違いがありますが、
僕が今、支障なく普段の生活を送れて満足しているので乳房切除術までの性別移行でお話をすすめます。

【FTM 性同一性障害】性別移行を支障少なく行う3つのポイント

社会人として働きながら性別移行を進めていくのはハードルが高いと考えられています。
しかし、ポイントを押さえれば不可能なことではありませんよ。

それぞれについて詳しくお話していきます!

性別移行を急ぎすぎない

性別移行をガイドラインに沿った順番に並べると下の図のようになります。

通院先が近場にあれば、通院交通費もあまりかからないので近い所から探してみましょう。

ちなみに、通院交通費は医療費控除として確定申告の時に申告可能な項目です。
僕たちトランスジェンダーは医療費がかさむことが多いので、確定申告についても勉強しておきましょう!

以上の流れの中でお金の負担が大きくかかるのは、身体領域治療。ひるがえせば、精神科領域治療までは費用負担が少ないです。

精神科領域治療の良い面は、自身の思いを再認識する機会であるほかに
身体領域治療に向けてお金をつみたてておく大事な時期。

このつみたては、単に手術費用を貯めればイイというものではありません。

まるまる
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手術費用だけの貯金ではギリギリすぎてリスク管理が不十分だ

術後数日で仕事復帰するのはかなり難易度が高い。有給休暇を利用して在職中に手術したとしても、お金がギリギリだととても不安になります。

もしうまくいかなかったときのアフターフォロー想定と生活防衛費として、最低でも目標とする手術費用の2倍は貯めておきましょう。

身体的治療は見た目の変化が大きいので、「すぐにしたい!」と思われる方も多いはず。
しかし、性同一性障害診断書取得の前に身体的治療に入ってしまうと、金銭面で負担を大きくする事を知っておかなければいけません。

2020年より、ホルモン補充療法を開始しておらず、性同一性障害診断が下りている場合、乳房切除術が健康保険適応で行えるようになりました。

詳しくはこちらの記事を参照ください。

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性別移行をするにはお金がどうしても必要になります。

『お金を得るためにはどうしたらいいか?』

まるまる
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お金持ちの家に生まれない限り、労働によってお金を得る必要があります
性別移行を自力でするためには、正社員として労働をすることが目標達成に一番確実ってこと。

まずは戸籍の性で働き、精神科領域治療を進めながらお金を貯めるのが最適解でしょう。

「戸籍の性のままで働くなんて!」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、20万円を切る手取りでもしっかり節約すれば2年ほどで乳房切除術費用の2倍は貯められます。

僕も乳房切除術の費用は正社員として働きながら貯めました。
性別移行後の人生の方がずっと長いので、感情ではなくロジカルに考えていきましょう!

カミングアウトは適宜、必要なことと覚悟する

社会生活の中でカミングアウトをする機会は、軽いものを含めると結構多くあります。

軽いもの:医療機関を受診するとき、家の賃貸契約を結ぶとき
重いもの:就職・転職先活動をするとき、家族や友人にはなすとき

こうやって見ると、今後長期間付き合いが続くだろうところにカミングアウトするのがハードルになっているのが分かりますね。

重たいカミングアウトをするときにポイントになってくるのは、「現に身体的治療を開始しているかどうか」によります。
外見や声などがある程度本来の性別に近づいている状態じゃないと周りの理解を得にくいからです。

FTMの方がホルモン補充療法を適切な量・間隔で開始すると、半年間で「声変わり」、「大量のニキビ」、「ヒゲが生える」、「筋量増加」、「目つきが鋭くなる」など分かり易い男性的変化が訪れる方が多いです。
僕も開始してから半年くらいが変化がとても大きく、1年くらい経過すると変化が落ち着いてきました。

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性別移行期で1番ネックになるのは、このホルモン補充療法で変化が大きい時期の過ごし方ではないでしょうか。

この変化の大きい時期を乗り切る最適解は「伝えてしまうこと」

「まだ伝えられない」「今じゃない」と思う場合は、精神的治療までにとどめておいて決心がついたら身体的治療を開始していくのがイイでしょう。

身体的治療を開始する時間が後ろ倒しになりますが、そのぶん手術費用をしっかり貯められる時期と情報収集をする時間も増やせるという側面があります。

トランスジェンダーの中には、性別適合手術を受けることが人生の最大目標になってしまっている方もいる印象…

望みの性で生活できるようになることは、人生のスタート地点に立っただけ。
身体的治療はあくまで人生の通過点であることを忘れないようにしましょう。

ざっくりとライフプランを考えておく

最近では終身雇用制は崩れてきており、転職回数が2、3回ある人も珍しくなくなってきました。
今の20代、30代で最初に就職した会社で定年を迎える方の方が珍しくなってくるでしょう。

最初の勤務先に勤続し続けなくてもイイ=負担少なく望みの性へ性別移行しやすい社会環境になったとも言えます。

大学卒業すぐに就職した場合、5年経ってもまだ27歳。転職市場では45歳までは年収アップを十分望める時期です。

まるまる
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〇〇歳まで今の会社でスキルアップして、✕✕際にはスキルを武器に転職して年収アップを狙おう!などざっくり考えてOK!

FTMだから、性別変更していないから転職できないということはありません。
多少困難はありましたが、年収アップする転職を僕はすることができました。

トランスジェンダーが働きやすい業種もあるので、スキルアップして他業種に転職するのも選択肢に入れておきましょう。

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治療のことだけではなく、
○○歳で再進学!、✕✕歳でバリスタFIREなど自分の将来を考えてみましょう。
未来が広がりますよ!

まとめ

性別移行はトランスジェンダーにしか経験できないことの一つです。

多くの人が経験しなくてもいい苦労を、精神的、金銭的に強いられますよね。
でも、こういう苦労は対応できる下地のある人の前にしか訪れないものだと思っています。

苦しい時期はありますが、乗り越えることは可能です。
共にサバイブしていきましょう!

今回の記事は以上です。ありがとうございました!

ABOUT ME
まるまる
LGBTQのT。FTMの訪問理学療法士。ファイナンシャルプランナー3級取得しました。 トランスジェンダーでもお金の苦労少なく自由な生活したい!というのが目標。40代でバリスタFIREを目指します! 資産運用、節税対策、FTMに関することなど自身の体験や興味のあることを書いていきたいと思います。 Twitterはこちら