こんにちは、まるまるです。
今回は『今年は熱中症が多い? 症状、予防、暑さ指数を知って今年の夏を乗り切ろう!』をお話します。
リハの訪問先で「これは危ない!」と思った事例に今年はもう複数回出会っています。
今年は去年まで以上に早い時期から、熱中症症状が起きている方が出ている印象…
熱中症は適切に対策できれば、発症予防・重症化対策が確実に行えます!
今年は熱中症が多い?
症状、予防、暑さ指数を知って今年の夏を乗り切ろう!
訪問先で実際にあったこと
僕は訪問理学療法士として、いろいろなお宅に訪問してリハビリを実施しています。
6月上旬。
雨あがり、急に気温が高くなってきた日でした。
訪問先に到着し部屋に上がると、
窓が2方面開いていて風はぬけているのにとても部屋が蒸し暑い。
その部屋にいらっしゃったご利用者さんは「なんだか体が重い」「めまいがする」と、椅子に座っていました。
部屋に温度・湿度計があったのですぐ確認すると「室温29.0℃ 湿度78%」の表記。
すぐに水分補給をしてもらい、その間に窓を閉めてエアコンの「除湿」を急風でかけました。
エアコンの風が当たるところで5分ほど休んでもらうと、症状は消失。
と、思っていらっしゃったと話して下さいました。
しかし、これは危険な症状です。
もし訪問時間が遅くなっていたら、
そもそもリハに伺う日でなかったらと思うとゾッとします…
気温が30℃を超えていなくても、湿度が高いと熱中症にかかることがあります!
どんな症状が起きていたら、早めに対処・対策をすればいいか詳しく見ていきましょう。
熱中症の症状は?どう予防すれはいい?
『暑い時に熱中症になる』と何となくご存じの方は多いと思います。
では『熱中症になるとどんなことが起きるのか』をご存じでしょうか?
こちらの表をご覧ください。
引用:環境省 熱中症予防情報サイト
重症度Ⅰでは『めまい・たちくらみ』『ぼーっとする』などが挙げられています。
熱中症に起きる症状だと、知らなければ疲れたかな?で済まされてしまいそう…
もし家で窓を開けて過ごしている時に、このような症状が出ても『寝てれば治るよ』と見過ごしては危険です!
就寝中にも熱中症になる危険があります。特に寝ていると水分を補給しないので重篤になる場合があります。
今年はマスク着用で多くの方が過ごす、世界でも初めての夏になります。
環境省より今年の夏、熱中症を予防するための行動様式が発表されました。
【参考リンク】令和2年度の熱中症予防行動 環境省・厚生労働省 令和2年5月 発表
お一人で過ごしている時はマスクを取ってもらい、
屋外でも2m範囲に人がいない場合はマスクを外すことが環境省より推奨されています。
水分摂取の目安は1日当たり1.2ℓだそうです。

家の外にいる時は、涼しい場所に移動して冷却剤で首の側面を冷やすようにしましょう。
首の側面を冷やす理由は、血液を早く冷すためです。
頸動脈の真上を冷やした方が早く血液を冷やすことができます。
重症度Ⅱまで進むと、人によっては自力で水分摂取ができなくなります。
自力で水分が摂れなくなったら救急要請をする目安です!
自分一人の時は躊躇なく191に電話を!
誰か近くに人がいる時は、涼しい所へ連れて行ってもらい、救急要請と水分補給を手伝ってもらいましょう。
今年は熱中症が多くなる?
今年の夏は例年よりも熱中症患者が多くなる可能性があります。
気象庁から6~8月の3か月予報が発報されました。
引用:気象庁 3か月予報
こちらのように、日本全国的に平年以上の気温になる予想が出ています。
今年は6月14日現在で、31℃越えをしている地点がいくつもありますね。
熱中症を考える時には、『気温』だけでなく『湿度』もとても重要です。
暑さ指数(WBGT)というものが、熱中症の危険度を図るものになっています。
暑さ指数(WBGT)とは?
暑さ指数(WBGT)は熱中症にかかる危険度を数値化したものです。労働環境や運動環境の指針として有効であると認められ、ISO等で国際的に規格化されています。
この数値が大きいほど、熱中症の危険が増していきます。
引用:環境省 熱中症予防情報サイト
こちらは『暑さ指数(WBGT)』を求める時の効果の割合を指しています。
暑さ指数は熱中症予報を行う時に活用されています。
近年では夏になると、天気予報に熱中症予報が出されています。
天気予報で『厳重警戒』『危険』などの予報を見たことはないでしょうか?
この予報が熱中症予報です。
熱中症予報は『暑さ指数(WBGT)』をもとに予測されています。
暑さ指数(WBGT)が28℃を超えると『厳重警戒』、31℃を超えると『危険』になります。
この2つの違いは
室内は室温上昇に注意する
激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。
特別の場合以外は運動を中止する。
上の式を見ると
湿度の効果が影響を与える割合は7割!
対して気温の効果の影響は1割です。
ちなみに2割を占めている輻射熱(ふくしゃねつ)というのは、建物の壁や道路から伝わってくる熱のことです。
同じ日でも、
公園の木陰と、日陰のないアスファルトの交差点では体感温度が違いませんか?
照り返しや蓄熱された熱が多いところにいると、暑さが増しますよね。
車いすの方やお子さんは、頭までの距離が地面まで近いため
輻射熱の影響を受けやすいです。健常成人以上に暑さ対策をしましょう。
引用:東京消防庁
こちらは平成30年に東京消防庁管内で救急要請された時の、気温と湿度の状況を現したものです。
赤〇が重なって濃くなっているところが、多く救急要請があったということです。
気温25~35℃ 湿度60~90% が赤が濃く見えますね。
この範囲に入っている天気の時は要注意です。
ちなみに35℃を超えると要請が減っているのは、暑すぎて屋外に出る人が減り、エアコン使用率が上がるためだそうです。
温度以外にも湿度が熱中症リスクを高めていることも示されていますね。
湿度が高いと、気温が20℃を下回っていても熱中症で救急要請されている時があります。
実は湿度は温度以上に重要!
気温が同じでも、湿度が高い方が熱中症にかかりやすくなります。
湿度が高い方が熱中症にかかりやすくなる理由は、
汗が蒸発できないからです。
汗が蒸発するときに身体から熱を奪っていくので、身体に熱がこもりにくくなります。
この効果は『気化熱』と言われています。
ひと昔前は、夏の朝や夕方に家の前に水をまいておく打ち水という習慣がありました。
これは気化熱を利用して、家の周囲の空気や地面を冷やせる効果があるんですね。
朝・晩に水をまく時間的余裕がなくなっていることが影響しているのでしょうか。
都市部ではほとんど見られない習慣になっています…
まとめ
朝、テレビで天気予報をみて今日の暑さ指数がどれくらいか確認しましょう。
『厳重警戒』や『危険』の時は、室内でも熱中症にかかる恐れがあります!
エアコンを使うことを我慢しないでほしいと思います。
マスクは状況に応じて外すようにして、身体に熱がこもらないように過ごしましょう。
コロナ予防も大事ですが、熱中症予防も大事です。
一医療従事者として、皆さんが健康に今年の夏を乗り切ってもらいたいと思っています。
今回の記事は以上です。ありがとうございました!
【参考リンク】【コロナ自粛】 今年はマスク熱中症が増えるかも 対処法は?