こんにちは、まるまるです。
今回は『数年経っても残ってる胸オペの後遺症』についてお話します。
身体的治療を望んでいるFTMにとって、胸オペ(乳房切除術)はある種あこがれすらある治療の1つかもしれません。
これから身体的治療に乗り出そうとしている方にお伝えしたいのは
『カラダを大きく変える治療は、プラスの事ばかりではない』という事実があること。

術後数年経っても残ってる、胸オペの後遺症
乳房がFカップと大きかったので胸の下を大きく切開し、乳輪を新しい位置につけなおす術式で胸オペをしました。
この方法は乳輪の下半分だけ切り開く術式と比べると、大きく切開しないといけません。
大きく切開すると傷が大きく残るといった見た目の問題以外にも、『後遺症が残るんだろうなぁ』とする前から思っていました。
当時予想していた後遺症よりはずっと軽いですが、それでも症状はありますね。
僕が胸オペして数年して今も残る後遺症は以下3点です。
- 術創部の皮膚柔軟性低下
- 乳輪の遊離術痕に鋭い痛みがたまにある
- 術創部周辺に感覚鈍麻がある
それぞれについて詳しくお話したいと思います。


術創部の皮膚柔軟性低下
膝小僧を擦りむいた時に、膝を曲げると傷口あたりにツッパリ感があったことってないですか?
あれも皮膚柔軟性低下のせいでツッパリ感が出ています。
瘢痕(はんこん)は、潰瘍、創傷、梗塞による壊死などによって生じた、様々な器官の組織欠損が、肉芽組織の形成を経て、最終的に緻密な膠原線維や結合組織に置き換わることで修復された状態。きずあと、あばた、痘痕(とうこん)ともいう。英語ではscarといい、これはギリシア語のschara(暖炉の意)に由来する。
出典元:Wikipedia
Wikipedia先生の言葉を簡単にすると、
『傷口を治すときに硬いコラーゲンで傷口を埋めたりするんだよね。傷が大きいほど傷跡が残りやすいんだよ。残った傷跡=瘢痕ともいうよ。』といった感じでしょうか?
人間が傷を治す過程で自然な反応なんですが、硬いコラーゲンが集まるせいで皮膚の動きが邪魔されやすい…
胸の皮膚に柔軟性低下が起きると、腕を上げる、広げるのが大変になります!
試しに右掌で左胸を押さえながら、左手をバンザイしてみましょう。
動かしにくかったかなぁと思うのですが、胸に瘢痕があるとこんな感じで腕の動きを邪魔してしまうんですよね。
抜糸後しばらくは、Tシャツを脱ぐのに苦労しました。腕を挙げると術創部が引っ張られる方向に皮膚が動いて『ビシッ!』とちぎれそうな感覚がして痛かった(汗)
表皮は破れてなかったけど、真皮のコラーゲンが引きはがされてたのかもしれません。
抜糸してから痛みが少ない範囲で皮膚モビライゼーションを自分でやってました。
日常生活で不具合を感じなくなるのに、術後半年くらいはかかりましたね。
数年経った現在でも、たまーに腕を挙げた時にツッパリ感が出ることがありますが(汗)


乳輪の遊離術痕に鋭い痛みがたまにある
胸が大きい方が手術をする場合『乳輪を新しい位置に付け替える』方法になるハズ。
元の乳輪を丸く切り取って新しい乳輪位置の皮膚を丸くくり抜き、乳輪の周りをグルっと1周縫い付けます。
こんな感じの術創ですね。
術後2か月くらいは乳輪周りの傷口がかなりひきつれて痛かったです(泣)
乳輪周り360°一度切り外されているので、血管連結も一度全部外れているんです。
組織壊死しないかどうかは『血流が阻害されていないか』にかかっています。
切り離したモノより、一部分でも切っていない方が血管がそのままつながっているので、組織壊死リスクが減るでしょうね。
僕は胸が大きすぎて遊離術しか選べませんでしたが(汗)
全方向が傷口なので、皮膚モビライゼーションも怖くてできませんでした。
胸下方術創部の皮膚柔軟性が上がってくると乳輪がひきつれる感じも少なくなってきた感じ。
今は日常的に問題はないですが、胸の皮膚が乾燥してくると乳輪周りがたまに痛くなることがあります。そのたび、乳輪が剥がれたりしないよね?とうっすら怖くなる…
保湿は大事!適度な湿潤は傷の早期回復に役立ちます。モイストヒーリング(湿潤療法)ってやつ。乾燥させすぎはイカンのです、術創が残りやすくなるから。
ちょっと前から薬局で見かけるようになった『キズパワーパッド』もモイストヒーリングに基づいて作られたもの。
手術後からはお風呂上がりのボディーケアが欠かせなくなりました。治療前よりも女子力がどんどん上がっていますね(笑)

術創部周辺に感覚鈍麻がある
感覚鈍麻というのは、感覚が鈍くなることです。
皮膚で感じる感覚は『表在感覚』と言って、触覚、圧覚、温度覚、痛覚の4つ。
このうち触覚と圧覚の鈍さが術創部周辺に出ています。
術後1年くらいは自分で術創部を触っても、触った感覚がないくらい鈍かった。(重度鈍麻)。今はやや鈍いなくらい。(軽度鈍麻)
年を経るごとに改善してきている印象ですね。
いずれ解消するかもしれないし、このまま一生感覚鈍麻が残るかもしれません。


まとめ
こんな感じで胸オペはメリットばかりではなく、デメリットもあります。
術創部がひきつれる痛み、乳輪が壊死するんじゃないかという恐怖、術創部の感覚鈍麻。
日常的に不具合を感じている訳ではないですが、胸オペをしたことで起きたデメリットはこれからの人生で僕はずっと抱えないといけません。
手術を急ぐ前に、こういうことがわが身に起きても引き受け切る覚悟を持てているか振り返るタネになれたら幸いです。
今回の記事は以上です。ありがとうございました!

