こんにちは、まるまるです。
今回は『FTMの就職活動 就活したときに踏まえた5つのポイント』についてお話します。
もう今年もあと1ヵ月になりました。
今の時期だと、医療系学校に通っている方は国家試験の追い込みと就職活動を同時に進めている方もいらっしゃるでしょう。
一般大学でも3年生が就活準備に入り始めるころでしょうか?
中にはFTMの学生さんもいらっしゃると思います。
FTMの就活は、マジョリティーの学生さんよりも大変な部分は確かにありますが、就職先を勝ち取ることは可能です!
今回は僕の体験談をお話します。あくまで1例ですがこれから社会に巣立とうとしている方の一助になれたら幸いです。
結論から言うと

FTMの就職活動 就活したときに踏まえた5つのポイント
僕が就活をしたのは、理学療法士養成校最終年次の10月くらいから。
ホルモン補充療法を開始したのは、最終年次の8月からでした。8月から開始したのは就活よりも4月の入職時に、一定レベルの身体的変化があればいいかなあと自分で考えたから。
就活を始めたころは声変わりの喉がれが治まり始めた頃でした。
今思い返してみると、声はまだ高かったし、髭も産毛だし、電車で「どっち?」と聞かれたこともありました(汗)
僕はパス度が結構低かった時期に就活をしていたんですよね。
でもさほど就活に問題はありませんでした。
乳房切除術は就職後数年間お金を貯めて行ったので、ホルモン補充療法のみ開始した段階で就活をしています。名の変更もしておらず、生まれた時のままの名で就活をしました。
就活するにあたって以下の5つの点を踏まえるように心がけましたね。
・履歴書用写真、面接は働く性のスーツで行う
・性別関係の話ばかりしない
・自分を受け入れてくれる就職先はある!と思う
・給与ができるだけ高いトコロをターゲットにする
それぞれを詳しくみていきます。

どちらの性で働くか明確にしておく
日本企業の多くはまだまだ男性・女性の2性のどちらかで働かなくてはならないことが多いです。
『就職希望先がLGBTフレンドリーか』ではなく、自分がそこで働いてみたいと少しでも思う就職先候補を受けるようにしましょう。
これは少しでも身体的治療開始している方ならば有効な手段だと思います。対して、身体的治療をまだしていない場合は会社側の理解が難しいかもしれません。
身体的治療を進めるにはある程度のお金が必要になります。
先に女性として就職し、治療貯金がたまったらカミングアウトして在職していくというのも戦略の一つですよね。
ご自分の身体的変化に合わせて戦略を変えていくのは、長い人生を考えるととても有効だと僕は思います。答えは一つじゃないので、ここはフラットに考えていけたらイイですよね。

僕の場合は理学療法士で勤務するための就活でしたが、理学療法士は患者さんと身体接触をしないといけないリハビリ職種。
患者さんの中には理由があって性別限定介入になることがあります(男性職員のみ、女性職員のみでリハチームを作るなど)。
もし女性限定の患者さんに僕が介入することになったら、混乱や誤解を招く可能性があると思ったので最初から男性職員としての就職を目指しました。
履歴書用写真、面接は働く性のスーツで行う
就職活動も転職活動も、面接に行く前に履歴書などの書類選考から行われることがほとんどです。
履歴書写真と面接に来た人の外見が大きく違うと、選考側が混乱してしまうので写真と面接時の外見性別は合わせるようにしましょう。
もちろん書類選考、面接を男性性として行うなら選考側へのカミングアウトは必須になるので覚悟をもって望みましょう。
性別関係の話ばかりしない
戸籍の性と反対の性で面接をすると、カミングアウトが必須になるのでどうしても性別関係の話をすることになります。
しかし選考側が面接に使える時間は限られています。性別の話はほどほどにして、「この会社で働きたい!」という気持ちを伝えることに時間を割くようにしましょう。
性的マイノリティーのことを知ってもらう場ではないので、ここをはき違えないようにしましょう。

自分を受け入れてくれる就職先はある!と思う
パス度が低い時に就活をしていたので、「性別を理由に断られたりするのかな?」と不安になることもありました。
こんな感じですね。
就活では3か所を受けて、うち2か所から内定をもらうことができました。
医療系職種での就活だったので、一般企業よりも性同一性障害への理解が高かったからかもしれませんが、自分で思っていたよりも実際のハードルは低かったように思います。

給与ができるだけ高いトコロをターゲットにする
これは僕が就活した際の反省点なのですが、給与が高いトコロを選んだ方か後々助かります。
もちろん、自分が働きたいと思う分野で給与が高いトコロという意味ですよ!
僕は自分のスキルアップになりそうなトコロに勤めたい!と思って就活を進めた結果、
かなり給与が低めの病院に入職しました。スキルアップになるなら給料なんか安くたっていいさと思っていたんですよね(汗)
スキルアップは職場で左右される分量よりも、自分でやる気があるかどうかにかかっていると思います。それに給料の安いトコロでスキルアップしていっても、給料に反映されないのでどんどんやる気を吸い取られる悪循環に陥ります…
ホルモン補充療法や手術は、一部条件を除いて自費診療(10割負担)で行われます。
生涯累計金額で言ったら、国産普通車1台分くらいはザラにかかるでしょうね(汗)
お金がたまった時に実際に身体的治療に踏み出すかは別にして、貯金が目標金額に到達しない期間が長いほどモヤモヤした気持ち期間が長引きます。
経験上、精神衛生上から安い給与のトコロへの就職ははあまりオススメしません。
基本給が高いトコロだとベストですね。基本給が安くて手当報酬が高い設定だと、手当カットになった時に経済的にきつくなります。基本給は勝手に減らせないですが、手当報酬は簡単に減額できちゃうんですよね(汗)
まとめ
FTMの方は、マジョリティーの方と比べて困難さを感じる機会は多いですよね。
実際、僕もいろんな思いや体験をしてきました。
ただ、その状況はずっと続くものではないし
「FTMの人」ではなく「貴方自身」を必要とする場が探せばちゃんとあります!
ここ数年はコロナ禍という特殊な環境のなかでの就活なので大変でしょうが、
自分の人生に覚悟をもって、社会への一歩を踏み出してもらえたらと思います!
僕みたいなチャランポランでも何とかなったので、皆さんもきっと大丈夫ですよ。
今回の記事は以上です。ありがとうございました!