FTM(性同一性障害)

性別欄のない履歴書発売?トランスジェンダー、就職・転職の悩み

こんにちは、まるまるです。
今回は『性別欄のない履歴書発売へ?トランスジェンダー、就職・転職の悩み』についてお話します。

僕自身、就職・転職活動をしたときに性別欄が無くてもいいのになと思ったことがあります。
ただ、その反面、性別欄があったからこそカミングアウトしやすかった部分もありました。

履歴書はあくまでツールなので、とらわれすぎてもいけないのかもしれませんね。

性別欄のない履歴書発売へ?トランスジェンダー、就職・転職の悩み

性別欄のない履歴書が発売される?

デジタル新聞を見ていた時にある記事を見つけました。
「文具大手のコクヨが、性別欄をなくした履歴書を発売する方針であることが分かった。」という内容。

2020年7月、市販されている履歴書が参考にしている「JIS規格」から、履歴書の様式例が削除されたそうです。
このJIS規格変更に伴いコクヨさんが今後前向きに検討をするということで、まだ販売予定日は未定だそう。

これまでは、性別欄のない履歴書を使いたいと思っても、
自分で書式を作るか、ネットに公開しているものを探してダウンロードして使うしか方法がありませんでした。

僕はこの作業がめんどうくさかったので、理学療法士の資格を取得してからは普通の履歴書を使って
面接でカミングアウトしまくっていました(汗)

こういう作業はやっぱり手間ですし、毎回過剰な気合が必要なので精神的にも厄介なんですよね。

性別欄のない履歴書が発売されていたなら、たぶん買っていたでしょう。単純に〇をつけるのが苦痛なので。

もし今、性別欄のない履歴書を使って面接していても面接時にカミングアウトするのは、変えなかっただろうと思っています。

理由は、就業後にトラブルになるのは避けたいからです。
若い世代に関しては昔よりも寛容になってきている印象ですが、
職場は年齢を重ねた人もおり、トランスジェンダーに恐怖感を抱いてしまう方少なからずいます。

実際に受けた転職時の体験談

ホルモン補充療法開始後の僕の実体験です。

転職活動時、面接時にカミングアウトをして、実際に働く予定の事業所社長やスタッフから「ぜひ」と内々定をもらっていたのですが
内々定がでて数日後、転職エージェントから内定出すのを待ってほしいと言われました。
理由を確認すると、内々定を出してくれた企業の、親会社社長が「そんな頭の変な奴を入れたら、会社が大変なことになるから入社は絶対に許さない」と言っている。
事業所社長が親会社社長を説得しているから待ってほしいという事でした。

親会社社長は当時70歳代だったそうです。
すべての人がそうだという訳ではないですが、年齢が高いほどおそらくトランスジェンダーへの恐怖感が強いのでしょう。情報が少ないはずなので…。
トランスジェンダーという言葉もピンと来ていなかったのかもしれません。

人間、たいがい、よくわからないものには恐怖感を持つものですからね。

2週間後、内々定は取り消しになりました。親会社社長を説得することができなかったという理由です。怒りとか、憎しみとかは全くないのですが、ちょっと悲しかったですね。

だた、面接時にカミングアウトしておいてよかったとも思いました。

もしカミングアウトしないで入職していたら、その親会社社長からどんな嫌がらせを受けただろうかと思うとゾッとします。

この話は5年程度前の話です。今でもこんな対応になってしまう企業は他にもあると思います。
自分の身を守るためにも、戸籍変更を終えていない方が望みの性で働きたいと思っているのなら
面接時にカミングアウトをすることをオススメします。

トランスジェンダーの仕事探し

LGBTQの中でも「T」=トランスジェンダーは、より就業のハードルが高いよなと感じています。

僕(FTM)の場合は、ホルモン補充療法の開始前、開始後で仕事先の選び方が大きく変わりました。

ホルモン開始前
・着替えが必要な会社は極力選ばない
・トイレが男女兼用、もしくは分かれていても1人しか入れない会社を選ぶ
・可能な限り外回り仕事を選ぶ
・上記を満たせることが優先で、賃金が安いのは仕方ない
ホルモン開始後
・働きたい業界から仕事を探す
・残業が基本ないか、少ない会社を選ぶ
・通勤時間が30分以内の会社から探す
・生活に不都合ない賃金が得られる会社を選ぶ

こうやって比べてみると、随分と違いがありますね。

ホルモン開始前⇒就業先の環境が嫌でないかばかりを気にして、後ろ向きな職探し
ホルモン開始後⇒自分に合った条件の会社か選んでいく、前向きな職探し

ホルモン開始前は身体的に何も変化がないこともあり、カミングアウトをすること自体諦めていました。
男性として就業することが望めなかったため、後ろ向きな職探しになっていたのだと思います。
もしかしたら、カミングアウトすれば受け入れてくれる会社もあったのかもしれませんが…。

FTM2人の就活時体験談が記載されている文献をJ-Stageで見つけました。
ご興味のある方は一度目を通してみてはいかがでしょうか?
フリーアクセスなのでどなたでも閲覧することができますよ!
【参考リンク】就職活動における性的マイノリティ(LGBTQ)学生の支援―服装規範を中心に

まとめ

履歴書は「公文書」の扱いです。

公文書だから、虚偽の申告は許されない=戸籍の性別を書かなければならないことになります。戸籍変更していないなら、外見とズレが出ていたとしてもです。

ここでトランスジェンダー当事者がつまずいてしまうことが多いです。

履歴書に性別欄がないことで、まず面接に行くことへのハードルを下げることができると思います。
ただ面接時にカミングアウトをしておいた方が、無難かなとは思います。

採用されたら、あとは仕事でちゃんと結果を出していくだけです!

トランスジェンダーの身体的治療にはかなりのお金も必要になるので、
しっかり働くことで、ご自身の本来の性で生きる礎にしていきましょう!

ちゃんと自分らしく働ける仕事に就くためには一定の努力や覚悟が、僕らトランスジェンダーには必要になるでしょう。
マジョリティーの方よりも苦労する場面は多いですが、苦労が多いだけで、無理な訳ではありませんよ!

今回の記事は以上です。ありがとうございました!

【参考リンク】オススメを3つ トランスジェンダーが働きやすい業種はどこか考える 

ABOUT ME
まるまる
LGBTQのT。FTMの訪問理学療法士。ファイナンシャルプランナー3級取得しました。 トランスジェンダーでもお金の苦労少なく自由な生活したい!というのが目標。40代でバリスタFIREを目指します! 資産運用、節税対策、FTMに関することなど自身の体験や興味のあることを書いていきたいと思います。 Twitterはこちら